第8回新入社員パワーアップ研修

平成28年6月20日、「ひとづくり委員会」(川妻利絵委員長)は「第8回新入社員パワーアップ研修」を「国立江田島青少年交流の家」において、3日間の日程で開催した。

同研修には、広島経済同友会会員企業31社から過去最高となる134名の新入社員が参加し、広島経済同友会からは、森信・池田両代表幹事をはじめ30名が出席した。

開会式では、池田代表幹事が挨拶に立ち「新入社員は、心を鍛え、体を鍛え、頭を鍛えて問題意識を持つ人間になってほしい」と激励した。

また、「モノの見方・考え方には、『表面的でなく本質的か。短期的でなく長期的か。一面的でなく多面的か』の3つの基軸をもつことが大切だ」と述べ、「人の話を聞くときにはメモを取ること。日々メモを読み返してみるとともに、そうした習慣を5年10年と続けていくことが皆さんの成長につながる」と締めくくった。

池田代表幹事の挨拶写真
森信代表幹事の挨拶写真

森信代表幹事は、広島経済同友会が今年60周年を迎え「輝け!ひろしま」をテーマに活動していることや、当研修のこれまでの経緯やねらいについて説明した。

特に就職した人たちの3割近くが中途退職している現状から、「入社した時の企業研修だけではなく、この時期に異業種の人たちが集まって学び、ネットワークを広げることのできるこの研修を通じて、そうした危機も乗り切ってもらいたい」と強調した。

そして「人口減少が進展する中、これからも広島で働き、広島で家庭を持ち、広島で生活してもらいたい」と述べるとともに、「3日間の研修を有意義なものとしてもらいたい。まずは午後から行うカッター訓練で、気持の切り替えをしてほしい」とエールを送った。

研修初日の午後は人気の高い「カッター訓練」ということで、22名~23名が6グループに分かれて海洋研修室前に集合。

メンタースタッフの掛け声とともにストレッチを済ませ訓練場へと向かった。

訓練場では、指導員からカッター訓練の目的は「全力をつくすこと」「協力すること」を厳しく教えられ、舟艇の前では漕ぎ方の指導を受けた。

雨と雷のためスタートが少し遅れたものの願いが通じて天候も徐々に回復し、全艇が海上へと漕ぎだした。

最初は息が合わなかったものの、次第に向上し「ソーレ・ソーレ」の掛け声とともにスムーズに航行できるようになった。

全艇が無事に訓練を終え、全力を尽くすこと、チームプレーの大切さを学んだ。

カッター訓練の写真
車座談義の写真

夕食後は、最も経済同友会らしく今や名物ともなっている「車座談義」をスタート。

21名の経営者が講師になり、21のテーブルに集まった新入社員の輪に入り、今回の研修テーマ「会社をつくる一員としての自覚を高め、主体的に仕事に取り組む意識と行動を生み出す」を中心に、和やかな雰囲気で談義を行った。

新入社員は、「すぐれたチームワークとは何かを発見する」「自分の可能性を見つける」ための手段や方策などについて質問し、社会人としての悩みなどを講師に話しかけた。

各講師は自身の経験談を交えながら、丁寧にアドバイスを与えていた。

2日目は、過去に同じ研修を受けた10社21名をメンターに迎えての「車座談義」を実施。

各メンターは前日の経営者講師と同様に研修生の輪に入り、質問に答える形で体験談などを披露した。

午後からは、「ファンが多い会社とは?新入社員としてできること」というプレゼンテーション課題に取り組んだ。

翌日のプレゼンテーションに備え、各班とも熱心に討議を重ねながら夜遅くまで周到な準備をすすめた。

3日目の午前中は、3つの会場に別れて21チームのプレゼンテーションが実施された。

各会場において新入社員同士でベストチームの投票が行われ、3チームが選出された。

午後からは全員が講堂に集合し、選抜された3チームによるプレゼンテーションを実施。

テレビ局のレポーター風のものやクイズ番組形式など、若く柔軟な発想によるプレゼンテーションが相次いで披露された。

講師からは、プレゼンテーションの講評に加え「人に何かを伝える力、チームワークをつくる力、気持ちをきちんと言う力、そしてネガティブなことも良いことも相手に伝わるように言うことの大切さ」を指導された。

プレゼンテーションの写真
森信代表幹事の写真

研修の最終プログラムである「退所式」では、森信代表幹事が挨拶に立ち、人が道を究めるのに歩むべき3段階のことを意味する、「守破離」(しゅはり)の言葉を贈った。

その意味を、研修生にあてはめながら、「『守』は、皆さんの立場で3日3月3年は黙ってマニュアル通りに動くこと。『破』は、周りが見えるようになり、少し自分で歩いてみて自信が出てくるころ。『離』は、会社を辞めることではなく、自分のカラーを出しながら大きな仕事を任せられるようになるころ」であると説明。

「これからの会社人生はいろいろあるが、早い時期に『破』になり、皆さんが新入社員を指導する立場になってほしい」と締めくくった。

続いて、「修了式」で森信代表幹事が新入社員の代表に一括して「修了証書」を授与し、3日間にわたる「第8回新入社員パワーアップ研修」は終了した。