「カナダ・アメリカ経済視察団」の派遣

国際委員会(委員長 北村浩司)主催の「カナダ・アメリカ経済視察団」は7月23日(土)から30日(土)まで、森信代表幹事を団長に総勢26名でカナダ・バンクーバーと米国・ポートランドの視察を終え、無事帰国した。

バンクーバー
ウィスラー

バンクーバー入りした24日は日曜日のため、バンクーバーから2.5時間のところにあるウィスラーを訪れた。

この町はスキーリゾート地であり、2010年のバンクーバー冬季オリンピックの際、スキー会場となったが、今では夏の避暑地としてハイキングやマウンテンバイクさらにはトライアスロンレースなど年間を通して集客する観光地となっている。

低層のロッジは地下に自転車駐輪場を備え、1階部分はプロショップやレストランなどが並び、にぎわっている。

ロープウエーを乗り継いで山腹に上ると、根雪の残る壮大な景色が満喫でき、オリンピック後も開発を進めることで、オールシーズン型リゾート地へと進化させたまちづくりに一同共感を得ることができた。

25日はダウンタウンで、ブリティッシュコロンビア(以下BCと略記)州関係者からバンクーバーにおける女性の就業状況や職業訓練制度などについてプレゼンを聴くとともに、実際に企業で働きながらトラック整備の資格習得中の女性の体験などを聞いた。

26日は、BC州立大学のランド&フードシステム学部が運営するUBCファームを訪れた。

この農場は、持続可能な有機農法・先住民の伝統的な農法の普及・継承をブロックごとに実践するとともに、地元高校生による摘みとり作業(単位認定)や小学生の農業体験など地域連携にも努めている。

また、この農場で採れた農産品は週3回、直売を行っている。

午後からはBC州国際貿易省港湾局の関係者から、バンクーバー港の物流や観光船の寄港状況などの説明の後、カナダ三井物産佐野さんのお世話で、港の穀物輸出基地を船上から視察した。

日本向けの菜種(キャノーラ油の原料)の積み込みなどを見ることができた。

UBCファーム
開発局入口での集合写真

27日は、全米で住みたい街第一位といわれる米国ポートランドに移動し、ポートランド市開発局の山崎満広国際事業開発オフィサ-からポートランド市のまちづくりの経過、その歴史的背景とともに、その手法として行政と住民が一緒にまちづくりに参加する仕組みなどの説明を受けた。

この手法をもとに千葉県でも実際にまちづくりが進行中とのことであった。

街中は、空港にも接続しているライトレール、ストリートカー(路面電車)、車、自転車、歩行者がうまく共存しているが、景観形成のルールに基づき中心部では建物は1階をガラスウインドとして開放性を維持し、歩道には許可制のカフェテラスが随所に設置され、訪れた人々に憩を与える仕組みが随所にみられた。

27日の夜はポートランドの日系広島出身者を中心に組織されている「オレゴン広島クラブ」のお招きで交流会に参加。

ケン・カワゴエ会長、在ポートランド領事館内山浩二郎総領事はじめ25名と視察団員とで賑やかな交流会が催された。

持参した広島経済同友会の法被をお渡しし、双方の修道高校OBによる校歌斉唱など終始和やかなひと時となった。

28日は、ポートランド観光協会を訪れた。

アジア地区担当のジェフリー・ハマリー シニアマネージャーと古川陽子シニアコーディネーターから日本向けのインバウンドの手法について説明を受けた。

「オレゴンから愛」(1984年フジテレビ系)放映に始まる、ポートランド市のブランド戦略や日本での雑誌掲載からデパートでのイベント実施など地道な情報発信により日本人観光客が増えている状況などデータをもとに解説された。

29日から帰国の途に就き30日夜 広島駅にて解団した。

このミッションを通じて各地で活躍する日本人の存在に驚くとともに、まちづくり、人づくりなどに大いに参考になった。

関係の方々に改めて感謝申し上げます。