10月9日、「備北都市懇話会」が庄原市西城町で開催され、森信・池田両代表幹事をはじめ広島から27名、各支部から13名、それに地元備北支部を合せて総勢72名が出席した。
先ず、当日の基調講演者で日本一の「高松宮記念賞」を受賞された刀匠久保善博氏の工房である「久保善博日本刀鍛錬道場」で、日本刀づくりを見学。
続いて近くの「西城自治振興センター」に移動し、久保氏による「古名刀再現への挑戦」と題する講演に耳を傾けた。
その後、場所を「ウィル西城」に移し、会員同士の交流を深める「懇親会」が松茸と比婆牛を目玉に盛大に開宴された。
午後2時過ぎ「久保善博日本刀鍛錬道場」前に集合し、坪島備北支部長から見学の心構えを聞いて、2組に分かれて入場。
薄暗い中、久保氏は赤い炎がたぎる火床を前に仕事をしながら、日本刀づくりについて「これは、一番大切な“鍛錬”という工程にあたる」。
さらに、「砂鉄をたたらで生成し玉鋼をつくり、その玉鋼を平らに打ち伸ばしたり折り曲げたり、1300度ぐらいまで熱しては鍛錬を十数回繰り返す。それが折れない曲がらない日本刀につながる」など説明した。
会員は初めて見た日本刀づくりの現場に興味津々で、質問も相次いだ。
その後、「西城自治振興センター」に移動し、「備北都市懇話会」は幕を開けた。
まず、森信代表幹事が挨拶に立ち、「備北支部では、これまで観光振興について行政に提言され、地域の政策決定に大きな足跡を残された。これからも、提言に取り組んでいただきたい。広島修道大学と連携協定を締結したことで、大学から就職見込み先となりうる県内企業にバスを走らせる計画がある。備北地区においても積極的に手をあげていただきたい」とお願いするとともに、「備北支部が毎年ご苦労されている松茸をはじめとした地産地消の懇親会を、楽しませていただきます」と感謝の意を表した。
続いて主催者である備北支部の坪島支部長が挨拶に立ち、多くの会員が参加しことに感謝すると共に、「経済同友会に入って本当に良かったと思っており、現在の会員をもう少し増やしていきたい」と抱負を述べ、「県民の森の料理が評判良かったので今年もお願いした。松茸も豊作なので安心した。どうぞ備北都市懇話会を楽しんでください」と締めくくった。
続いて、久保氏による「古名刀再現への挑戦」と題する講演会が始まった。
講演では、「大学で園芸や農業化学の勉強をしていたが、テレビ番組で、人間国宝の人の『鎌倉時代の名刀は一生かけてもできなかった』という話を聞いて、それならこの手で古名刀を再現しようと刀鍛冶になることを決意した。親からの猛反対があったが、逆にそれらが自分の力になった」。
「たたら製法でつくる鉄には、チタンが大きな役割を果たしていることを突き止めることで古名刀の秘密に迫り、論文としても発表した」。
あるいは、高松宮杯の受賞作品については、「今までにないものに挑戦し、“映り”という新しい作風を創った」ことなど、1時間にわたり熱く語った。
その後、懇親会場となる「ウィル西城」に移動。
久保氏の受賞作品が会場入り口に展示されると、一斉に会員が集まり、覗き込んでは絶賛の声があがっていた。
興奮冷めやらぬ中全員が会場に入ると、備北支部佐々部副支部長の歓迎挨拶、庄原市の神宮副市長の来賓挨拶と続き、交流部会の香川部会長の乾杯音頭で懇親会は幕を開けた。
天ぷらなど松茸を使った料理の前では行列ができ、アトラクションとして備北支部の伊藤副支部長率いる「西城ブルーハーモニー」の演奏もあり、会場は終始なごやかな雰囲気に包まれていた。