広島経済同友会の会員組織である「ひろしまアグリサポーターズ」(高木一之理事長)の主催する「現地視察会」が11月13日に開催され、高木理事長、香川事務局長をはじめ総勢27名が参加した。
同視察会では、広島における農業生産物の加工現場とキャベツの生産現場の現状を学ぶため、午前中に安芸高田市八千代町にある「安芸高田アグリフーズ株式会社」を訪問し、精米炊飯一貫ラインや惣菜製造工場を視察。
午後からは庄原市東城町にある「株式会社vegeta」を訪問し、大規模キャベツ圃場を視察した。
貸切バスで「安芸高田アグリフーズ株式会社」に到着すると、香川事務局長の司会により視察会が幕を開けた。
はじめに、広島経済同友会の特別幹事でもある高木理事長が挨拶に立ち、「地産地消による6次産業化を目指して設立された同社にはオープニング時に訪れているが、それから10年たち大きな進歩を遂げている。
安芸高田市の玄米が精米され、それが炊飯され商品になり販売もされており、まさに1・2・3次産業がそろっている場所である。
工場全体がHACCPの認定も受け、食の安全と安心を確保しつつ効率化を進めている。
大いに勉強して帰りたい」と挨拶した。
続いて、同社の渡辺常務が「農産物の6次産業化を目指し、安芸高田市、北部農協、広島駅弁当が出資する第3セクターとして設立され、平成18年10月に稼働開始。
当初は苦しい状態ではあったが、5年前から黒字化した。
それには、広島駅弁当という大きな市場を確保していたからだ。
工場職員の80%は地元採用。米もできるだけ地元産を採用しているが、一部岡山産がある。
今後はすべてを安芸高田産にしていきたい。
さらに、安芸高田市・JAの協力により平成23年給食センターを設立し、3100人の給食事業を開始した」と説明した。
その後、工場内を見学。
質疑応答に入ると、会員から多くの質問がだされ、農と食をつなぐ食品加工の現場への関心の高さがうかがえた。
次は再び貸切バスに乗り込み、庄原市東城町にある「株式会社vegeta」の大規模キャベツ圃場へと向かうが、現地での厳しい環境を察してか、車内で広島信用金庫の佐藤氏から事前レクチャーを受けることになった。
「同社は、露地栽培面積30ha超でその面積は広島県内一を誇り、キャベツを主力に白ネギ白菜なども作っている。
主な契約先としては、大手ファミレスチェーンや大手コンビニベンダーなどがある」。
さらに説明は、広島県農林水産局が推進する「広島県キャベツ16億円計画」に及んだ。
「広島県はお好み焼きで知られるキャベツの県内自給率はわずか7%で、残りは県外・海外産が占める。
県内産を、現状の8倍である56%の16億円分にする」と言う。
具体的には、「県内5ケ所に県が大型団地を造成した上で、有力な農業事業者が入植・栽培することで、キャベツが不足する冬~夏場のリレー出荷により、安定供給する計画」で、その1社が「株式会社vegeta」だという。
中国自動車道の東城ICを降りて約15分、東城町栗田の小学校裏にある大規模キャベツ圃場に到着。
同社谷口社長から、「広島信用金庫の投資ファンド第1号の認定を受けたことや、圃場の広さや生産量、使用している農機具の種類・・・等」様々な角度から説明を受けた。
その後、広大なキャベツ圃場に向かい、自動キャベツ刈り取り機の仕事ぶりを見学した。
現場は、広島県北の鳥取県境に近い場所で気温7℃、氷雨の降る厳しい環境下にあったが、その後の質疑応答では、「連作障害や病気への対策、補助を受けて購入した農器具類の効果、販路への取り組み、現在の課題・・・等」会員からの質問が相次いだ。
これらに対し、谷口社長から丁寧な説明を受け、大規模農業の現場を知る上で大いに役立った。