平成27年12月11日、「第15回札仙広福・四極円卓会議」が、広島市中区のリーガロイヤルホテル広島において開催された。
会議には、北海道経済同友会から11名、仙台経済同友会から7名、福岡経済同友会から6名が参加。
広島経済同友会からは、森信・池田両代表幹事をはじめとし、部会長・委員長・支部長ら24名が参加し、総勢48名による四極円卓会議が催された。
会議は香川交流部会長の司会で始まり、主催地の森信代表幹事の開会挨拶、続いて広島東洋カープ元監督達川氏による「スポーツを通しての地域活性化」と題した基調講演、「地方創生への取り組み」をテーマに各地同友会からの報告、そして意見交換へと進み、最後に懇親会で締めくくられた。
開会挨拶にあたり森信代表幹事は、「15回を重ねた『札仙広福・四極円卓会議』の歴史をふりかえりながら、今回のテーマを『地方創生への取り組み』とした」ことを説明。
あわせて広島経済同友会の今年度の基本方針である「輝け!ひろしま」を統一テーマとする、広島創生への取り組みを紹介。
来年10月28日に広島において開催する『西日本経済同友会会員合同懇談会』で、「その成果を発表し、地方創生の議論の場にしていきたい」と言及。
そのためにも、「四極の各地同友会からの報告と意見交換から、それぞれの地での取り組みを学び、活動のヒントをいただけると楽しみにしている。
活発な意見交換をお願いしたい」と述べた。
続いて、基調講演の講師を務める広島東洋カープ元監督達川光男氏が登場するにあたり、略歴の紹介とカープでの現役時代の名プレー珍プレーを収録したVTRが放映された。
その後、万雷の拍手の中で登壇した達川氏は、「スポーツを通しての地域活性化」~苦しみを笑いに変えた野球人生~、と題して約1時間にわたり講演をおこなった。
講演では、巨人江川選手との対戦を例に挙げ、「ライバル・目標は必要だ。江川選手に会ったおかげで人生が変わった。それまでは野球をやらされていたが、その後は自らやるようになった」。
また、各地経済同友会のプロ野球チームや選手の話題を盛り込みながら、「成功した人・一人前になった人は、人一倍努力をしている」「いろんな人との出会いが大切だ」など、時おり大きな声を出しながら、広島弁で熱く語った。
続いて、森信代表幹事が進行役となり、各地経済同友会報告・意見交換へと進んだ。
北海道経済同友会の横内代表幹事は、「北海道は農産物や水が豊富で地震など大規模自然災害の可能性が低いことから、『北海道バックアップ機能強化に向けて』―国土政策の転換と北海道の新たな役割―を提言した」と発表。
仙台経済同友会の大山代表幹事は、「東日本大震災からの復旧・復興にふれながら、インバウンドから取り残されている。雇用もひっ迫している」と現状を述べ、「東北ブロック広域観光分科会の新設を提言し、28年9月までに東北ブロック7経済同友会共同で、広域観光提言を作成する」と話した。
福岡経済同友会の宇佐見代表幹事は、北九州地域委員会の提言である「世界から注目されるハイクオリティ都市をめざして~イノベーションの推進と魅力ある都市づくり~」を紹介した。
具体的には、「北九州市は高齢化率が高いが、その分、老人福祉施設は早くから整っている。技術力の高い中小企業をもう一度見直して、生活の質の高い街をつくりたい」と説明した。
広島経済同友会は、森信代表幹事が広島経済の概要や広島を取り巻く現在の課題について説明し、その後、広島経済同友会の取り組みとして、「9月に広島修道大学と連携協定を締結した」ことを紹介。
続いて、その提携の窓口となっているひとづくり委員会の川妻委員長が、連携協定に基づく今後の具体的活動として、同大学生が同友会会員企業を訪問する『バスツアー見学会』の開催を計画し、「地元学生に地元企業の魅力を伝え、県内で就職して欲しい」との思いを述べた。
さらに、会員企業の新入社員向けの『新入社員パワーアップ研修』の実施状況について説明した。
意見交換では、各地の代表幹事から地方創生や東京一極集中、さらには人手不足などについて相次いで意見が出された。
広島経済同友会からは、池田代表幹事が「人口減少が国の大きな課題になっているが、みなさん自社の合計出生率をご存知ですか」と質問を投げかけ、「経営者が自社の状況がどうなっているか把握してみる。
そうした視点をもち対策を立てることで解決できることはある」と指摘した。
その後、懇親会場に移動し、池田代表幹事の開宴挨拶・乾杯で、懇親会は幕を開け、最後に、次期開催地である、福岡経済同友会の宇佐見代表幹事からご挨拶をいただき、「第15回札仙広福・四極円卓会議」は終わりを告げた。