12月16日、広島地域活性化委員会は、広島修道大学キャンパス内の協創館において、「広島県の中山間地域における地域活性化に資する活動や仕事の現状と課題について」をテーマに、広島経済同友会22名と同大学で中山間地域の活性化について学ぶ学生18名に、NPO法人の理事長や農業従事者など社会人ゲスト5名と同大学の学長・副学長はじめ7名が加わり、約1時間半にわたりグループ懇談会を開催した。
開催にあたり、広島地域活性化委員会の角倉委員長が、「自分自身が中山間地域の出身であり、個人としても興味をもって参加している。本日の懇談会は、広島修道大学と広島経済同友会の連携協定に基づいて開催させていただくもので、市川学長はじめ関係する皆さんの多大なご尽力のおかげだ。今日の討議方式であるフィッシュボールは始めて体験する人が大半で、成り行きを楽しみにしている」と挨拶した。
続いて、ひろしま未来協創センターの山川センター長が同センターの活動を紹介するとともに、「ここにいる教職員や学生は中山間地域に出て活動している。広島県の70%を占める中山間地域が元気になれば、広島も元気になる。外からの目だけではなく、そこにいる生活者の視点も学びその声も反映していきたい」と述べ、懇談会のコーディネーターを務めるひろしま未来協創センターの田坂氏を紹介した。
田坂氏は懇談会のスタートにあたり、「学生と一緒になって中山間地域について学んでいるが、同友会の委員会がこのような企画をされたことを賞賛したい。地方創生は広島の場合、中山間地域をテーマにすべきではないかと思っていたからだ」と挨拶。
続いて、有意義で濃密な懇談会にしていくために、フィッシュボール(金魚鉢)というミーティングの手法を使うことを説明。
そして、同友会の会員には、「そうしたミーティングの中から、中山間地域の活性化のためにあるいは地方創生を考えるにあたって、何か突破口が見いだせるのか、あるいは自らが考える仮説が正しいかどうか、見定めるためにも繰り広げられる意見交換に加わっていただきたい」と述べた。
今回のテーマをもとに、小分けした6グループがそれぞれに15分間の意見交換を行ない、各グループから一人の学生レポーター(フィッシュ)が中央に集まり(金魚鉢)その内容を発表。
席に残る人たちは周り(金魚鉢の外)からその発表内容を聞いた。
その後、発表内容を参考にしながら、再び同じグループでよりレベルの高い意見交換を行い、別の学生レポーターが中央に集まり2回目の発表を行なった。
コーディネーターを努める田坂氏は、2回にわたるレポーターによる発表内容の要点をボードに書き込み続け、最後に、議論の中から見出せた中山間地域における地域活性化に必要なことは、①帰って来たくなるまちづくり、②田舎のファンづくり、③ひとつではない仕事、④地域内経済、というキーワードを引き出した。
時間をオーバーするという白熱したフィッシュボールが繰り広げられた後、同大学学長で広島地域活性化委員会市川太一副委員長が挨拶に立ち、「最初は不安であったが、今では良かったなと思っている。同友会の人に聞いてみると、学生の話が聞けてためになったという。社会人のゲストの方々に参加してもらったのも良かった。今回は、アイデアを出した段階で終わった感じで消化不良のところもあるが、これからも回数を重ねる必要があるかな、と思っている」と今後の展開に期待を示して、閉会となった。