広島経済同友会は1月14日、「創立60周年記念式典」をホテルグランヴィア広島において開催。
同式典には、湯崎広島県知事、松井広島市長、公益社団法人経済同友会小林代表幹事をはじめ多くの来賓をお迎えする中で、森信・池田両代表幹事を含め多くの会員が参加。
総勢260名で、「記念式典」「記念講演会」「記念祝賀会」の行事を執り行い、大きな節目となる創立60周年を盛大に祝った。
第一部の「記念式典」では、森信代表幹事が挨拶に立ち、同友会の創立当時を振り返りながら、「先人の熱い思いが、“会員は個人の立場で参加し、自由闊達に議論し、提言するという役割と使命がある”という『広島経済同友会のDNA』を創りあげた」とし、「その後も会員が増え続け、今や822名を擁し全国第3位の規模を誇るまでに成長した」と説明した。
それには、「歴代代表幹事のリーダーシップや部会長・委員長の努力に加え、全国でも類を見ない支部制の存在が大きい」と感謝の気持ち表した。
そして、これまでの60年を祝うと同時に、長期的な視点で広島の未来やふるさと創生を考える必要があるとの認識に立ち、「昨年から、基本方針に『輝け!ひろしま』を統一テーマに、~“まちづくり・ものづくり・ひとづくり”で、広島創生~をサブテーマに掲げ日々の活動に取り組んでいる」。
「28年度も継続しながら、各支部・部会・委員会で研究し議論してきたことを提言し、それらを広島創生の『広島経済同友会版総合戦』として取りまとめ、今秋の『第114回西日本経済同友会会員合同懇談会』で地方に共通した課題解決への処方箋として発表していきたい」と今後の道筋を示した。
来賓祝辞では、まず広島県の湯﨑知事が「同友会は地元で60年間にわたり、広島の経済社会に多大な貢献をしてきている」と敬意を表するとともに、広島県は「『ひろしま未来チャレンジビジョン』を5年で改訂し、“仕事にチャレンジ!暮らしをエンジョイ!活気あふれる広島県”を、目指すべき姿として打ち出し、ワークもライフも積極的に追求していく考え方」を示した。
そして、その考え方こそが「日本の新たな姿であり目指すべき姿ではないか。それを実現できるのは、東京ではなく、有利な状況・条件のある地方都市であり、広島もその条件が備わっている。実行していくのは経済界ではないだろうか。広島県でもこれから議論していきたいと思っているので、同友会の皆さんの力で広島県をリードしてもらいたい」と期待を込めた。
続いて、広島県商工会議所連合会の深山会頭が挨拶に立ち、同友会代表幹事経験者として当時の提言やBRICsへの海外視察団派遣などにふれながら、「様々な活動を通して知見や国際的視野を養うに役立った。現在、会頭としての職責を全うできるのも同友会時代の貴重な経験が礎となっている」と語った。
そして「同友会には、地方創生への取り組みなど、地域からの期待もこれまで以上に高まっている。両代表幹事を中心に会員が一丸となって、広島のさらなる発展に大きな役目を果たしてもらいたい」と激励した。
最後に、中国経済連合会の山下会長が挨拶に立ち、「個人の立場で参加し自由闊達な議論することは、常々素晴らしいことだと感じている。それが提言と言う形で数々の提言に繋がっている」と述べ、「高速道路を活用した広島県の活性化や広域観光ネットワーク形成など時宜を得た提言が多くある」と評価した。
「中国経済連合会は10年先輩の広島経済同友会をお手本として活動してきた。今後とも、地域経済を力強くリードして欲しい」と締めくくった。
続いて創立60周年を記念した表彰式では、先ず平成18年度以降に代表幹事として会を取りまとめながら活発な活動で多大な功績を残した5名に「特別幹事表彰」を贈呈した。
登壇にあたっては、それぞれの代表幹事がご就任中の大きなニュースや新語・流行語など世相を盛り込みながら主な活動が紹介された。
全員が壇上に揃ったところで、森信代表幹事から、賞状と記念品が5名に贈呈され、その後、「特別幹事表彰」受賞者を代表して、角廣特別幹事が就任時に担当した「創立50周年事業としての記念式典や全国セミナーの開催」などの思い出を語りながらお礼の言葉を述べた。
続いて、広島経済同友会の会員として30年以上の長きにわたり活躍された29名に「永年会員表彰」を贈呈した。
式典に出席した14名の会員の名前が読み上げられ、その場で起立。
「永年会員表彰」受賞者を代表して、備北支部吉舎鉄工所の奥田会長が賞状と記念品を受け取った。
その後挨拶に立ち、「三次市は今日も雪が降っている中山間地域で、活性化するために30年間頑張ってきたが、なかなか難しい。皆で知恵を絞った結果、隣の庄原市と一緒になってやっていこうと、同友会の三次支部を備北支部に名称変更した。そうすることで、多くの人たちが興味を示し、会員になることで活性化に力を貸してくれるようになった。中国やまなみ街道の完成や、奥田玄宋小由女美術館、三次ワイナリーは今でも活性化の拠点になっている。これからも努力を続けるので引き続き同友会の皆さんのお力を貸していただきたい」と感謝の言葉を伝えた。
第二部の「講演会」では、公益社団法人経済同友会代表幹事で、三菱ケミカルホールディングスの会長でもある小林氏が登壇。
まず初めに、「設立以来60年にわたり、会員が広い視野と自由経済社会の担い手であるとの自覚のもとで、日々変化する諸問題について議論を深め、政策提言や実践を伴った活動をおこなうなど、広島県をはじめ中国地方の経済社会の健全なる発展に貢献した」と評価。
「近年では、ひろしまアグリサポーターズ、JR広島駅周辺の再開発を主導する提言など、昨今の地方創生を先取りする極めて先進的な活動をし、全国の経済同友会をリードする存在である」と感想を述べ、歴代代表幹事と全会員に敬意を表した。
続いて、「JAPAN2.0」と題する講演では、経済同友会が本年4月に創立70周年を迎えるにあたり、「過去の延長線上に未来はない」という危機意識を持つ中で、「日本は旧き衣を脱ぎ捨て、2016年からの5年間で、新たなる天地『JAPAN2.0』を開拓するために、大胆な改革が必要である」。
そのためには、「経営者自身が心の内なる岩盤を打ち破り、2016年を未来に向けた新たな進路を拓く1年にしたい」と述べるなど、今後の経済同友会の進むべき道を熱く語り、大きな節目を迎えた広島経済同友会の今後の活動にとっても貴重な示唆をいただいた。
第三部の「記念祝賀会」の開催にあたり、池田代表幹事が挨拶に立ち、「各自治体の作成した地方創生はこれから実現に向かうが、自治体と企業は創意工夫しながら一緒になって進めて行かなければならない。そんな中、同友会は、“まちづくり・ものづくり・ひとづくり”で、広島創生を目指しており、オール同友会で汗をかき知恵を出していく。皆さんのご協力をお願いしたい」。
さらには「本年10月に開催する『西日本経済同友会会員合同懇談会』に多くの方々に参加して欲しい」と述べた。
続いて松井広島市長による乾杯の音頭で開宴。
ご来賓、表彰対象者、会員に加え、これまでの事務局長2名も加わり、過ぎし時を懐かしみながら交流を深めた。
最後に、佐伯総務部副会長の挨拶で「創立60周年記念式典」は盛会裏に幕を閉じた。