文化振興委員会の視察会

広島県の伝統的な食材や郷土料理など食文化を研究・議論している文化振興委員会は、6月3日、福山市鞆町・内海町への視察会を実施した。

視察会には、坪井文化振興委員長をはじめ18名が参加し、鞆ノ浦では潮待ちの港として繁栄した歴史と文化を学び、内海町田島では地元の食材を取り入れた料理を食するとともに、田島海苔の生産地を視察した。

マルコ水産で真剣に学ぶ参加者
対潮楼

同委員会は、10月28日に広島市にて開催する「西日本経済同友会会員合同懇談会」の懇親会において、広島県内の郷土料理を6種類ほど披露することから、今回の視察会はメニュー選定試食会で一番人気となった内海町の田島海苔をメインに企画された。

現地への車中で、坪井委員長は「鞆の保命酒や内海町の海苔など広島の食材を学び、美味しい昼食を食べて楽しい視察会にしましょう」と挨拶。

続いて、アドバイザーの平山友美氏から、各訪問先についてレクチャーを受け、最初の目的地である鞆の浦の福禅寺「対潮楼」に向かった。

先ずは、国の史跡に指定されている「対潮楼」の座敷から目の前に広がる瀬戸内の景観を楽しむとともに、展示資料等から潮待ち港として栄えた鞆の浦の歴史を学んだ。

その後、古い町並みを抜け保命酒と本みりん醸造元である「岡本亀太郎本店」を訪ねた。

そこで店主より、保命酒と本みりんの特長や新商品の開発、さらには店舗の歴史的な由来について説明を受け、保命酒の試飲もおこなった。

保命酒
ゾノキッチンでのランチ

続いて、内海町の田島にあるイタリアンレストラン「ゾノキッチン」を訪れた。

このレストランは、地元でとれる旬の食材を炭火焼という調理方法にこだわりながら料理を出すことで知られており、オーナーの原薗和也氏からお店で使う野菜や魚など食材へのこだわりについて話を聞いた。

そして、地元の新鮮な野菜や魚を田島の生海苔や鞆の浦の保命酒でアレンジした美味しい料理などに舌鼓を打った。

最後に同じく田島にある「有限会社マルコ水産」を訪れた。

福山市は広島県で最も海苔の養殖が盛んで、田島地区はそのうちの8割を生産しているという。

同社は海苔の胞子の段階から商品になるまでの6次産業化に取り組んでいる会社で、まずは加工品である生海苔の佃煮を試食しその味を確認。

その後、同社の兼田敏信社長から海苔が収穫されるまでのお話を伺った。

質疑応答のあと海苔の加工工場を見学し、視察会を終了した。

マルコ水産社長の話