第34回西瀬戸経済同友会交流懇談会

広島・愛媛・大分・福岡・山口経済同友会による「第34回西瀬戸経済同友会交流懇談会」が山口経済同友会のお世話で、7月8日、「『人々を魅(味)了する観光創生』~“食と酒”が奏でる新たな観光文化の振興~」をテーマに、岩国市の「岩国国際観光ホテル」において開催された。

広島経済同友会からは森信代表幹事をはじめ総勢54名が参加し、参加経済同友会会員との交流を深めた。

山口経済同友会 ご挨拶
獺祭工場の見学

開催に先立ち希望者は、基調講演の講師桜井博志氏が経営する「旭酒造株式会社」本社工場を見学した。

生憎の雨模様の中ではありましたが、62名が参加。

班ごとに分かれ帽子・白衣を着用し、製造担当者の案内により製造現場に入った。

こだわる洗米、蔵の中を5℃に保つ空調設備、経験や勘に頼らず詳細なデータを分析する検査室などを視察。

山口の酒蔵を世界市場にまで押し上げた新工場に目を見張った。

続いて、交流懇談会の会場となる「岩国国際観光ホテル」に入り昼食。

雨のため午後からの「岩国鉄砲隊」による演武が中止になり、室内で鉄砲隊に関するビデオ鑑賞と説明を受けた。

午後2時、山口経済同友会代表幹事 長野壽氏が開会の挨拶に立ち、交流懇談会の一部から第三部までの流れを説明。

続いて、オバマ大統領が岩国基地に降り立ったことや岩国市の歴史について触れると共に、「この交流懇談会で、各地域の魅力を再発見し相互の交流が一層進展するよう有意義な懇談会にしていただきたい」と締めくくった。

第一部の幕開けとして、旭酒造株式会社代表取締役社長 桜井博志氏が、「“獺祭”の挑戦~逆境が育んだグローカル戦略~」をテーマに講演を行った。

講演では、山口の山奥の小さな酒蔵から、純米大吟醸「獺祭」が販売量で日本一となり、アメリカやヨーロッパなど世界に向けて羽ばたいた体験や、逆境をチャンスに変えて成功した体験などについて熱く語った。

基調講演 桜井社長
パネルディスカッション 全体の様子

第二部のパネルディスカッションでは、「『人々を魅(味)了する観光創生』~“食と酒”が奏でる新たな観光文化の振興~」をテーマに、岩国観光プロモーション戦略協議会の観光戦略マネージャー星光一氏がコーディネーターをつとめ、広島経済同友会から賀茂泉酒造株式会社代表取締役社長 前垣壽男氏、愛媛経済同友会から株式会社古湧園代表取締役社長 新山富左衛門氏、大分経済同友会から竹田市市長 首藤勝次氏、福岡経済同友会から林田興産株式会社専務取締役 林田直子氏、山口経済同友会からフジミツ株式会社代表取締役社長 藤田雅史氏がパネリストとして登壇し、各地の取り組み状況などを発表した。

広島経済同友会の前垣氏は、会社のある東広島市の歴史や現況を紹介し、「西条酒まつり」を起こしたことや「西条 山と水の環境機構」の創設、さらには酒蔵を国の文化財登録に申請したことなどを発表した。

そして最後に、コーディネーターの星氏は「『人々を魅(味)了する観光創生』には、組織・会社としてしっかり数値目標をもち、ターゲットを決めて戦略を練ることが必要である。情報化の時代だからこそSNSを含めた情報発信力が必要であり、人と環境をみながら手法を変えていかなければならない。日本の強さは“おもてなし”であり、早く気づいてさりげなくしてあげること。それこそが観光創生に繋がるのではないだろうか」と締めくくった。

賀茂泉酒造 前垣氏
森信代表幹事のご挨拶

続いて、次回開催地挨拶として広島経済同友会森信代表幹事が登壇し、山口経済同友会による「西瀬戸経済同友会交流懇談会」の素晴らしい運営に感謝の意を表した。

そして、来年度の開催の方向として「広島はものづくり・製造業の県であり、観光というテーマはしばらく共通課題となっていく」と前置きし、例えば「エクスカーションで産業観光など広島らしい“ものづくり”をみていただき、パネルディスカッションでは今日のように各地同友会からご出席いただき、各地の取り組みなどを発表していただきながらディスカッションしていきたい」と方向づけた。

最後に、今年の10月28日~29日に広島市で開催する「西日本経済同友会会員合同懇談会」の内容紹介をおこない、参加予定者を6百名としていることから多くの会員の参加を呼びかけた。

長持ち歌からスタートした第三部の懇親会は、山口経済同友会代表幹事 藤田剛二氏の開宴挨拶に続いて、岩国市市長福田良彦氏の来賓挨拶で幕を開けた。

錦川でとれた鮎の塩焼きや岩国寿司などの郷土料理に、獺祭、雁木、五橋など岩国の銘酒に賀茂泉酒造の銘酒も加わり、和気あいあいとした中で会員同士の交流を深めた。

オプションとして募集のあった「鵜飼遊覧」が、上流のダム放流の影響を受けて中止になったことを残念がる会員も多かった。