広島地域活性化委員会「視察会」の開催

広島地域活性化委委員会(委員長 角倉博志)では、11月11日、民泊受け入れに積極的に取り組み、定住・交流にも実績のあがっている安芸太田町への視察会を開催。

この集いは広島経済同友会の森信代表幹事の発案で誕生したもので、「おりづるタワー」の13階にある「ひろしまの丘」から眼下に広がる広島の街灯りや平和記念公園の夜景を楽しみ、続いて12階の「おりづる広場」を見学。

視察会には角倉委員長をはじめ会員ら11名が参加した。

安芸太田町役場で民泊、定住・交流への取り組みをヒヤリングし、紅葉に包まれる三段峡を散策。

渓流を利用したカヤック等の体験型ツーリズムの話を聞いた。

続いて民泊農家を視察し、Iターン者の経営する農家レストランで食事。

県名勝に指定され観光資源でもある吉水園を見学した後、UIターンの方々が起業された店舗を4か所訪ね、起業に至った経緯や苦労話、直面する課題に耳を傾けた。

鍛冶屋
意見交換の様子

安芸太田町役場に到着すると早速に小坂眞治町長の出迎えを受け、角倉委員長は「委員会では中山間地問題について研究しており、しっかり取り組んでおられる安芸太田町の現状を見て、いろいろお話をうかがってみたい」と挨拶。

続いて、安芸太田町田舎体験推進協議会の小田康俊事務局長から「あきおおた人情田舎体験 民泊受入で地域に元気と心の豊かさを!~民泊は田舎の教育業~」と題する卓話を聞いた。

小田事務局長は、安芸太田町の特徴や現状について説明すると共に、民泊の経済効果などについて熱く語った。

その後の意見交換では、「次の一手は」という質問に対して、「セラピーへの取り組みなどで、ミドル層も取り込んでいきたい。また、観光・林業・農業などあらゆる産業を結集して雇用を作っていきたい。そのためにも、小さなビジネスを立ち上げていけるよう支援している」。

また今後は、「まちづくり会社のような地域商社的なものを、商工会・観光協会・事業者等ともタッグを組んで立ち上げていければと思っている」といった前向きな話を聞いた。

三段峡案内

意見交換の後、安芸太田町企画課佐々木直主任の案内により、同町の重要な観光資源で、国の特別名勝にも指定されている三段峡を訪れた。

三段峡入り口で体験型ツーリズムとして「らぴっどカヤックスクール」を運営する小林久哉氏から、川面から見る三段峡の魅力や運営の状況等について話を聞き、三段峡のガイドをしていただいた。

気温も低く寒い中にもかかわらず紅葉と峡谷美を満喫しながら、大自然のもつ癒し効果を存分に感じることができた。

民泊の見学

続いて、民泊をおこなっている農家視察ということで、町内の寺領にある佐々木賢荘氏宅を訪れた。

佐々木氏宅では、民泊した子供たちに薪割りや柿もぎなどをしてもらいながら、日ごろの農家の体験をしてもらっているという。

民泊を終えた子どもたちから届いた手紙などもきちんと整理されており、その内容に目を通してみると子供たちの楽しかった民泊の思い出が伝わってきた。

また、海外からの参加者もあり、民泊を通じた体験型の観光などの動きもみることができた。

農家レストラン

お昼時をむかえ、同じく寺領にある「農家レストランZIRYO」で、山では珍しいカニ料理をいただいた。

このレストランを経営する奥田圭佑氏は、大阪市からIターンで安芸太田町の地域おこし協力隊として3年間活躍し、その後、安芸太田町の古民家を購入し農家レストランを開業している。

同氏からは、地元の米や野菜を使った料理や雇用で地元に貢献したい、という強い思いを聞いた。

吉水園

その後、寺領から加計へと場所を移動し県の名勝に指定されている「吉水園」を訪ねた。

「吉水園」でボランティア活動もしているという安芸太田町地域づくり課の栗栖一正課長のガイドで園内を散策。

茅葺屋根を全面ふき替えた「吉水亭」や庭園、そして見ごろをむかえつつある紅葉の風情を楽しんだ。

なお、この庭園は江戸時代中期の廻遊式庭園で、県の天然記念物のモリアオガエルの生息地としても知られている。

ハム製造販売

この後、安芸太田町にIUターンし起業した4名が営む工房や店舗を4か所めぐった。

まず初めに、たたら製鉄で栄えた加計の町の象徴でもある、昔ながらの「まちの鍛冶屋」を営む「鍛冶工房金床」を訪ねた。

同町が旧所有者から寄付を受けて改修し後継者に無償で貸すことになり、「まちの鍛冶屋後継者全国公募」で採用された秋田和良氏に委託。

現在では、主に広島県内の農業従事者等からの農機具修理をしているとのこと。

2か所目は、神奈川県からIターンした山﨑泰宜氏がオーナーで職人でもある、ドイツ製法のてづくりハム・ソーセージを製造販売する「グリュックスシュバイン~しあわせのぶた~」を訪ねた。

すでに国際コンテスト「IFFA」で金賞・銀賞を受賞するなど品質が高く評価され、今では広島市内からの顧客も多く多忙を極めているとのこと。

木工陶芸館

3か所目は、「グリュックスシュバイン~しあわせのぶた~」の店舗前で、同店のソーセージとドイツパンを使った特製のホットゴッグを提供する佐藤正宏氏の移動販売型カフェに立ち寄った。

全員がホットドッグを買い求めその味を楽しみながら、移動販売を始めた動機や地域のために役立ちたいという熱い思いに耳を傾けた。

4か所目は、筒賀にある龍頭峡「交流の森」に移動し、「木工陶芸館」を訪れた。

ここを運営する本宮炎氏は岐阜県からのIターン者で、7年前から当地で茶器を中心とした制作活動を行っている。

現在、「NPO法人三段峡太田川流域研究会」の代表理事を務めており、NPOの活動に当たり、経済界・経済団体からの資金的な援助に期待しているとの意見も聞かれた。