事業計画


令和7年度事業計画
基本方針

◆スローガン:「持続可能な都市(まち)を目指して ~50年後の未来へつなぐ~」◆

1.現状認識

現在、世界は地域紛争や分断の影響を受け、経済の流れやサプライチェーンが揺らぎ、国際的な取引や物流・投資が減少し、経済成長が鈍化する懸念が高まっている。また、地球温暖化による異常気象や自然災害が頻発し、地域経済や生活環境に深刻な影響を及ぼしている。さらに、令和6年8月に発表された南海トラフ地震の臨時情報により地域住民の防災意識が高まる一方で、経済活動への影響も懸念される。

こうした状況のなか、広島県は人口減少と少子高齢化が進行しており、特に若者の流出が顕著となっている。この現象は労働力の減少や消費の低迷を引き起こし、地域経済の将来にとっても大きな打撃となることから、地域の魅力を高め、若者が定住したくなる環境を整える必要がある。

一方で、G7広島サミットや日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞により、広島・平和への関心が高まり、インバウンドや観光・交流人口の増加が期待され、これを機に、地域の資源を活用した観光振興や国際交流の促進が求められている。また、他にも、環境問題や、教育の充実、地域コミュニティの強化など、さまざまな課題が存在している。

これらの課題に対して、広島県内の企業や団体が連携し、地域全体での協力と共創が不可欠となっており、持続可能な地域社会を実現するためには、地域の特性を活かし、未来を見据えた戦略的な取り組みが 求められている。

以上の事を踏まえて、広島経済同友会では、以下の基本方針に基づいて活動する。

2.基本方針

令和7年度の基本方針として、活動スローガンを「持続可能な都市(まち)を目指して~50年後の未来へつなぐ~」と定め、サステナブルな地域社会の実現に向けた取り組みを進める。

この方針のもと、当会の4本柱である「ひとづくり」、「まちづくり」、「しごとづくり」、「オール広島」の観点から、具体的な活動を展開する。

特に、4月に開催された「全国経済同友会セミナー 広島大会」では、4つの分科会「ひとづくり」、「まちづくり」、「地域づくり」、「ものづくり」において、地域の様々な課題解決に向けた協議・現場視察を行った。

当会の各部会・委員会・支部は、これらの議論を参考にしながら、個別に情報発信を行うと同時に、関連部門との情報共有を促進し、共創の場を設けることで、地域全体の活性化、価値向上を図る。

また、持続可能な都市(まち)を目指すには、「働きやすい環境」や「暮らしやすさ」と共に「幸福度」の向上は不可欠な要素となる。現在の「新常態適応委員会」において、従来、取り組んできた災害へのレジリエンス強化も不可欠の要素のひとつと捉え、更に地域のウェルビーイングの増進をコンセプトに活動する委員会として、これを「ウェルビーイング推進委員会」へと改編する。

ウェルビーイングは、他の委員会活動とも関連する内容も多くあることから、内容に応じて連携して協働していく。

あわせて、創立70周年(令和8年3月17日)に向けて「記念式典」、「年史編纂」等の記念事業の準備を続ける。

以上の方針に基づき、広島経済同友会は、50年後の姿を見据えて、地域の課題解決に向けた具体的提言とアクションを展開し、未来の子供たちに誇れる「持続可能な都市(まち)」の実現に向けて邁進していく。

3.部会・委員会構成

上記の基本方針のもと、以下のとおり部会・委員会を構成する。

(1)まちづくり :まちづくり委員会、文化振興委員会
(2)ひとづくり :ひとづくり委員会、ダイバーシティ委員会
(3)しごとづくり:ものづくり委員会、創業支援・事業承継委員会、観光振興委員会
(4)オール広島 :国際委員会、ウェルビーイング推進委員会(新常態適応委員会を改編)、交流部会、総務部会
(5)特別委員会 :70周年特別委員会(全国セミナー実行委員会、年史編纂委員会、記念式典実行委員会)