ウクライナ・パレスチナ情勢といった地政学リスクの高まりや中国経済の成長鈍化、グローバルサウスの台頭等を背景に世界が混迷の度合いを深める中、CN(カーボン・ニュートラル)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)をはじめとする新潮流の拡がり、さらには、DX(デジタル・トランスフォーメーション)や生成AI等に代表されるテクノロジーの飛躍的な進化などにより、企業を取り巻く経営環境は大きく変貌しようとしている。
こうした情勢のもと、ここ数年猛威を振るった新型コロナウィルスによるパンデミックが、わが国では昨年5月、感染法上の分類変更を経て漸く沈静化への道を辿り始め、これまで停滞を余儀なくされてきた人流の復活や企業活動の活性化、行事・イベントの再開などが相まって、社会・経済はポストコロナという新たな局面に突入した。
一方で、少子高齢化、生産年齢人口の減少に伴なう人手不足は、いまや全産業に共通する喫緊の課題となっており、特に、コロナ禍における人員減の影響を抱える企業では、急激な需要回復に対応できないといった事象も散見されるなど経営上の重い足かせとなっている。加えて、サプライチェーンの混乱に端を発した資源・エネルギー問題や物価高騰など諸課題は山積しており、企業・経済を自律的な成長軌道に乗せていくためには、環境変化への柔軟な対応による新常態への適応と生産性向上への積極的な取組みが不可欠となっている。
かかる観点から、広島経済同友会としては、時々刻々と変化する状況を踏まえつつ、地域目線での課題解決を念頭に、以下の基本方針に基づいて活動する。
広島経済同友会では、広島を“いかそう”をスローガンに掲げ、新時代に適応した持続的な発展を目指して、社会・経済・産業・文化等の幅広い分野において、“広島の個性をいかし、人々や企業がいきいきと躍動する、魅力あふれる地域づくり”に向けた「提言の発信」と「活動の実践」に取り組んでいく。
このため、当会の4本柱である「まちづくり」、「ひとづくり」、「しごとづくり」、「オール広島」を堅持し、地域目線による企画・立案とタイムリーな情報発信に努めるとともに、具体的なかたちとなりつつある「各部門横断的なテーマにかかる情報共有とイベント等の共同開催」などを通じ、部門間がより緊密に連携することで発信力の強化および諸活動の実効性のさらなる向上をはかる。
あわせて、設立70周年(令和8年3月17日)に向けて、「全国セミナー広島大会」、「記念式典」、「年史編纂」等の記念事業の実施に向けた諸準備を進める。
上記の基本方針のもと、以下のとおり委員会を構成する。
1. まちづくり :まちづくり委員会、文化振興委員会
2. ひとづくり :ひとづくり委員会、ダイバーシティ委員会
3. しごとづくり :ものづくり委員会、創業支援・事業承継委員会、観光振興委員会
4. オール広島 :国際委員会、新常態適応委員会、交流部会、総務部会
5. 特別委員会 :70周年特別委員会(全国セミナー実行委員会、年史編纂委員会、記念式典実行委員会)