昨年度は9月19日から25日の日程で、ニューヨークへの経済視察を実施した。全日程を1都市で過ごすという異例の視察スケジュールであったが、大統領選を間近に控えた現地独特の熱気を感じつつ、日本から遠く離れた地で奮闘する日系企業の今の姿を見ることができた。現地での日本酒造りと日本酒文化の浸透に尽力する酒造メーカー、ハドソン川流域の大規模開発を行う不動産デベロッパー、金融機関など、視察した先は多岐にわたった。現地駐在員のお話からは、経済力だけではないアメリカという国家の桁違いの市場の大きさとパワーを感じ、世界中から多くの人々が集まり続けるその魅力の一端を直接体感することができた。希望者のみが参加した演劇鑑賞ツアーも、舞台や芸術、音楽という面でのニューヨークの奥深さも体験できたため大変好評であった。
今年度はアジアの近隣国への視察を企画している。台湾および東南アジアについては過去数年間で2度の視察の実績があるため、本年は大陸アジアに目を向け、近年開発の進むモンゴルと、その行程の経由地として中国への視察を検討したい。モンゴルは中国・ロシアという大国に挟まれているが、多くの有名力士を輩出するなど文化的にも親日的な国であり、このほど広島の企業の社長がモンゴル名誉領事に就任するなどのご縁も生まれている。もう一か国の中国は、昨年訪れた米国と世界の覇権争いをするまで影響力・存在感を高めつつある。この国が見据えているアジアの未来像を、現地で躍進する日系企業の今の姿や現地調査などを通じて学び、会員企業が向かうべき未来を描く重要なヒントとなる視察を企画したい。