尾道支部


“On the same page”

4年前の2019年10月13日。決戦の舞台は横浜国際総合競技場。台風19号の影響で当日朝まで開催が危ぶまれたラグビーワールドカップ日本対スコットランドの一戦は、駆けつけた観客6万8千人の大歓声に包まれながら今始まろうとしていた。その80分後、彼らは「ONE TEAM」を掲げた日本代表が新しい歴史を塗り替える瞬間を目撃することになるのだ。ラグビーの試合では80分間、目まぐるしく状況が変わる。

試合の流れの中で、ラグビー最大の特徴であるタックルは当然のことながらパスを回す時もあれば、キックを蹴るべき時もある。確実にペナルティーゴールを狙うべき時もあれば、クイックでアタックを仕掛け、トライを狙うべき時もある。選手たちは、この常に攻守が変化する状況に応じて、瞬時に自分の次のプレーを判断し、動き続けなければならない。

"On the same page"

これは、ラグビーでは良く使われる言葉だそうだ。強いチームはこの瞬時の意思統一が素晴らしく、それを一冊の本に例えて、"On the same page"と言う。グランドに立つチーム全員が、状況がどう変化してもいつも同じページの上にいるということで、その為には普段の練習や準備段階で常に新しくそして同じ景色や考えを共有することが重要なのだと思う。ましてや今まで戦ったこともないような強敵相手であれば、これまでの戦い方が通用しないことは明らかだ。

依然として不安が払拭できない新型コロナウイルス感染症、ロシアのウクライナ侵攻、世界的なインフレなど大きな環境変化に加え、人口減少や少子高齢化、人手不足、エネルギー問題、さらには加速するデジタル化やグローバル化への対応などの近年我々を取り巻く環境は劇的に変化している。

そんないかなる環境でも、今、尾道に必要なのは新しい景色を描き続けることだと思う。言うまでもなく尾道にはたくさんの「まち・ひと・しごと」の〝宝〟がある。その〝宝〟をもっと生かすためにも尾道に棲む私たち経済人がその旗を振り、地域と連携し、それぞれの役割を担う中で同じ景色に落とし込んでいくことが必要であると考える。

私たちの歴史そのものである「まち・ひと・しごと」という観点から地域経済の持続的成長の実現に向けて邁進していく。

(1)尾道の新しい景色の創造
(2)行政や地域に向けての提言
(3)地域諸団体との連携
(4)会員拡大・相互交流